こんにちは
歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
今回は若い層のキャンセル・治療中断のお話しです。
よく「うちは若い患者が多いのでキャンセルが多い」と東京や大阪など、都市部で開業されている院長が仰いますが本当はどうなのでしょうか?
結論から言いますとそれは大きな間違いです。
確かに、若い人は大脳の発達途上にあり、「欲望」や「感情」のコントロールが未熟な人が多いかもしれません。でも年をとっていても感情や欲望のコントロールが出来ずに約束を守れない人はいっぱいいます。
逆に若くても約束を守る人はいっぱいいるのです。
真実は若者のなかの「約束を守らない患者層」にとって居心地が良い環境を先生の医院が提供しているので、口コミによって「約束を守らない患者層」に拡がっているのです。
キャンセル・中断が多い歯科医院は経営リスクが高い
キャンセル・中断患者や急患が多い歯科医院は経営リスクが高いと言えます。
よく考えてみてください。
歯科医院経営では”かかりつけ患者”を増やしていくことで経営は安定します。実際のアポイントは入っていませんが、かかりつけ患者を確保する事によって将来の一定程度のアポ枠は埋まることが確定しているのです。
ただし患者対応が悪いと戻ってきませんし、カルテを放置しておくだけじゃ他の歯科医院に転院してしまいます。
ホテルなどで考えれば新規顧客よりも常連客を大切にする事により、紹介などで顧客が増え経営は安定すると言えます。
常連客の紹介でくる人は同じ価値観を持ち、長くホテルを利用し愛してくれます。
<失敗するケース>
そこに二代目が戻ってきて「これからは新規顧客をどんどん受け入れていく」という方針を出したらどうなるでしょうか。二代目はホテルを改装して団体客を重視しだします。
するとどうなるでしょうか?新規顧客が増え、常連客が予約をしようとしても中々予約が取れなくなります。やっと予約が取れて宿に行くと、今まで愛してきた宿の雰囲気をぶち壊す様に団体客が騒いでいるのです。
すると常連客は「ここも変わったなぁ先代の時は常連客を大切にしてくれたのに・・・」と言って予約を取らなくなるのです。
新規の団体客を取り、一時的には業績が回復した様に見えたホテルは、近隣に大手の格安ホテルが進出した事により再び顧客を奪われ、経営不振に陥ったのでした。
この現象はマーケティングの軸がぶれたことにより起こります。
今まで常連客を増やしてきた先代によるマーケティングの手法に、二代目が真逆の手法を取り入れたことにより常連客が離れてしまったのです。
歯科医院でもまったく同じことが言えるのです。
健康観が高く、予約時間を守ってくれる患者が急患が増えた事により待たされていませんか?急患で枠が埋まって、かかりつけ患者の予約が入らない状態になっていませんか?
最近のホームページでも”患者を集めること”を優先しすぎて、誰に来てほしいのかが伝わっていない様に感じます。
野戦病院の様な歯科医院を目指されているなら別ですが、そうでないならばマーケティングの軸をしっかり決め、患者に伝えていかれる事をお勧め致します。
Posted at 13:20