こんにちは
歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
歯科医院の広告費は年々増えています。
医院看板、駅看板、野立て看板に口コミサイト、ホームページなど、広告を重視する院長が増えていると感じています。資金力のある歯科医院では検索連動広告をもしており、”新患獲得費”の高騰はとどまる所を知りません。
ただ、広告を強化することが歯科医院経営にとってそれ程重要なのでしょうか?
新患獲得は歯科医院経営の生命線ですが・・
歯科医院経営を考える上で新患を増やす対策は不可欠です。何故なら治療の患者はメンテに移行しない限り歯科医院に来なくなるからです。
新患は段々畑の上から供給する「水」です。畑に供給される水が足りないとメンテや再初診も増えていかないのです。
その新患を獲得する上で「広告」が重要な役割を果たしているのも確かです。
ただ、口コミサイトからやってきた新患はどれだけ長く歯科医院に通ってくれるでしょうか?多い医院では一日に5人程度の急患が口コミサイトから申し込んでくる様ですが、その急患を治療する為に予約の患者を待たせていませんか?
急患を積極的に受け入れている歯科医院もあるようですが、急患でアポ枠を埋めてしまうと大切なか”かりつけ患者”のアポが入らなくなります。
もしかして「ずっと通ってくれている患者は、少しくらい待たせても転院はしない」と思っていませんか?
「それよりも新患を優先したい」
お気持ちはわかりますが、それでは”自転車操業”の歯科医院を自ら作っている様なものです。
「急患が多い歯科医院はキャンセル・中断患者も多い」ってご存知ですか?
広告による新患を優先しすぎると”かかりつけ患者”の居心地が悪くなり”、我慢できなくなった時に近くで開業した歯科医院があると転院してしまいます。
開業の内覧会で見学患者が話す言葉には”いま通っている歯科医院への不信感”が溢れています。一回の内覧会で100人近くが転院している現実がそこにあるのです。
かかりつけ患者の獲得が経営のポイント
歯科医院経営を長く発展させていくには「長く通い続けてくれる”かかりつけ患者”をどれだけ増やすか」がポイントなのです。
これから日本の財政状況の悪化に連動して、国民生活の二極化も進行していきます。”働き方改革”によって一部の層の労働時間は改善されるかもしれませんが、労働人口の大半を占める中小零細企業の労働者の労働環境が改善されることは期待できないのです。
そんな中で急患は増えていくでしょう。
でも、
一生懸命治療しても痛みがなくなれば来なくなる”急患”
に疲弊している院長を私はたくさん知っています。
”自分の歯を大切にして欲しい”と彼らに願う気持ちは私も同じですが、そんな野戦病院を先生は望まれるのでしょうか?
う蝕患者が減り、患者ニーズが変わり、他職種の歯科医療への参入により歯科医療サービス提供の場が多様化している時代。
そういった環境下で、”歯を、身体の健康を大切にしたい”と願い、一生通える”かかりつけ歯科医院”を探している人が多数おられるのです。
そんな人たちが信頼するのは、友人や信頼できる人からの「口コミ・紹介」なのです。
広告によって新患も増えますが、友人からの口コミを聞いた人が”情報が正しいかを確認する”の為にホームページを検索する。実際、口コミ・紹介が多い歯科医院ではそういう流れで来院する新患が多いのです。
という事は、口コミ・紹介を生む為の院内の取組みが必要になります。
他のページでも書きましたが「真面目に診療していれば口コミ・紹介が増える」は間違いなのです。
口コミ・紹介を増やすには患者の期待値を超える必要があり、口コミ・紹介しやすい仕組みが必要です。
歯科医院経営において「広告」は重要ですが、口コミ・紹介を生む為に”医院の質”を高めていくことは、その100倍重要です。
ホームページを見て来院したが、実際の医院を見てガッカリする、いわゆる”広告負け”をする歯科医院が増えています。
どうか、広告に頼り過ぎないで、患者に”一生、この先生に診てもらいたい”と思ってもらえる歯科医院を創ってください。
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少子高齢化だけではなかった!
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Posted at 09:08