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◆歯科医院経営ブログ

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歯科医院を発展させる医療従事者としての型と心  [2017年10月04日]
 
こんにちは
 
歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
 
 
 
「真摯に歯科医療を続けていれば想いが伝わり患者は増える」
そうあって欲しいのですが、現実にはそうはいきません。
 
心の中で相手を思いやっているだけでは伝わらないのです。
 
 
 
私は患者の為の歯科医療を真摯に追求する院長の想いがちゃんと患者に伝わり、経営的にも上手くいって欲しいとの想いから、30年間勤務した開業医団体を退職し独立しました。
 
 
今回から紹介患者を獲得する方法について書くのですが、その前に最近感じていることを少し書いてみたいと思います。
 
 
それは、マーケティング手法や接客などの型に偏り過ぎて、歯科医療としての質を高めていない、スタッフの医療従事者としての心を育てていない歯科医院が増えている気がするのです。
 
 
確かに、マーケティングや心理学の手法を応用すれば口コミは起こせますし、紹介患者を集めることは出来ます。
 
 
ただ、経営コンサルタントから教わったマーケティングの手法をいっぱい取り入れ、それを実行するのにアップアップしている歯科医院を見ると「う~ん・・」と首をひねってしまいます。
 
スタッフの表情にも仕方なくやっている感が溢れています。
 
 
 
そんな歯科医院のスタッフを見ると、スタッフはみんな「次にやらなければならない作業」を見ていて、患者ひとり一人の表情を見ていない事が多いのです。
 
マニュアル通りに挨拶や説明もしていて「型」は一応出来ているのですが、感情がこもっていませんし患者の顔もみていない。患者が発している不安感などの「助けてサイン」にも気づきません。
 
 
誤解しないでいただきたいのは「型」を教えることを否定しているのではありません。「型」を教えることはとても大切です。
 
 
ただ、その型枠のなかに「医療従事者としての心」を注ぎいれる取組みが不十分だと思うのです。
 
スタッフと個人面談をしていて感じるのは、自律的に行動できるスタッフは医療従事者としての考えがしっかりしていている事が多いということです。
だから院長から指摘されなくても自分で考え動くことが出来るのです。
患者への気配りも出来るのでいつの間にかフアン患者が増えていきます。
 
医院を見学していると、患者が来院しキョロキョロしながらそのスタッフを探しています。
そして見つからないと「〇〇さんは今日はお休み?」と聞くのです。
 
 
 
 
 
 
 心と型は歯科医院経営の両輪
 
 
このブログで先に紹介患者獲得のマーケティング手法について書いてしまうと、テクニック重視の歯科医院を増やしてしまうのではないかという懸念が私に生まれました。
 
 
上っ面だげ綺麗に塗られた塗装ってはがれるのも簡単です。
何よりも、ステージの高い患者は医院の中身の薄さにすぐ気づくのです。
 
 
これからの厳しい経営環境で歯科医院経営を成功させるには、型枠の中に医療従事者としての心や技術、知識がいっぱい詰まったチームを育てなければなりません。チームが成長し型枠が小さくなれば大きな型枠に変え、またそれを満たしていく。
 
 
 
 
「スタッフの医療従事者としての心と型を育てていくことにより患者のQOL向上に貢献する」そういう思考ができる歯科医院には紹介で患者が集まってきます。
 
 
 
 
 
 スタッフではなく歯科医療従事者を育てる
 
これから、社会が歯科医療従事者に求める技術も知識も、そして心も、どんどん高くなっていきます。口腔内の知識だけではなく、腎臓病を始めとする全身疾患やオーラルフレイル、嚥下、食育等々・・・。院内だけではなく他科や他業種との関わりも増えていくでしょう。
 
だからこそ、スタッフが生活する為の仕事の一つとして歯科医院を選ぶのではなく、医療従事者として成長して社会に貢献していきたいと考える人財を育てる必要があるのです。
 
 
 
 
では、医療従事者としての心はどうやって育てれば良いのでしょうか?
 
 
私がいろんな医院のスタッフと話していてよく言われる言葉があります。
 
「どうせ自分がやりたい事を一生懸命考えても、最後に決めるのは院長じゃないですか。提案してダメだって言われたらそれで終わりだし・・・」「自分の遣りたい事をやるには独立してやるしかないんじゃないですか?」
 
 
スタッフのこの言葉は「医院が院長の自己実現の場でしかない」ことを表わしています。
 
医院における「絶対的な正解(100点)」が常に院長にありませんか?
若いスタッフが考える価値、行動は院長にとっては70点位ですが、それにいつもダメ出ししていませんか?
 
 
常にダメ出ししているとどうなるか?
スタッフは自分にとっての価値を考えて行動に移すことを止め、院長に怒られない為に院長にとっての「答え」が何かを探し始めるのです。
 
自分にとって大切な価値をこの歯科医院では実現できないとわかった瞬間、スタッフのモチベーションは低下し、生活の為に働き始めることになります。
 
人の成長は「自分にとっての価値について考えた時間」×「価値実現の為に行動した時間」で決まります。多くの人と出会い他人の価値を知り学ぶことも必要ですが、自分で考えた事を計画にし、行動する時間がもっと大切なのです。
 
①スタッフが医院における自己実現を考え続ける仕組み(実現環境)
②自分だけではなく仲間の自己実現を応援し合える仕組み
③次の作業ではなく、人(患者)を看て行動する為のトレーニング
④ひとり一人が考え、自律的に行動していく為のミーティング創り
⑤スタッフの自尊感情を高め、医療従事者としての自覚を持たせる取組み
 
を日常診療の中に組み入れていくことが不可欠です。
 
 
 
 
 歯科医療で地域に貢献していく共同体
 
私はアルフレッド・アドラーが言う様に、歯科医院を「共同体」だと捉えることで更に発展してくと考えています。
 
理念を基に医院にスタッフの自己実現の場を創り、院長もスタッフもお互いの自己実現を応援し合う関係を創る。
 
 
それを実現させる為には組織の仕組みを変え、権限と責任をスタッフに付与しなければなりません。院長が干渉せず、スタッフの正解で考え実行出来ることを増やしていくのです。
 
 
決して夢物語ではありません。
 
「スタッフに任せても遅いし、思う様な物ができないから忙しくても自分でやった方が早い」
 
「スタッフにいつも”もっと考えて行動しろ”と言ってるけど実行しない」
 
「うちには任せられる優秀なスタッフは来ない」
 
と嘆いていませんか?
 
いつまでも院長が100%の権限を持っていたら、いつまでもスタッフの70点の答えにダメ出しばかりしていたらスタッフは成長しません。このことはモチベーションの理論でも明らかになっています。
 
「スタッフの話し合いに口を出したい」「スタッフを思うようにコントロールしたい」「院長としての権威を示したい」「スタッフに任せることが不安」
 
院長が経験するこういった衝動、不安を乗越えなければ、自律的なスタッフには育ちません。
 
 
院長がスタッフに任せることへの不安を乗り越え、スタッフが出す70点の答えにダメ出ししなければ、スタッフは徐々に80点以上の結果を出してくれる様になります(質問で気づきを与えることは必要)。
 
”スタッフに権限と責任を委譲し、自律的なスタッフに育てていく”
 
これが、紹介患者を獲得し続ける歯科医院創りの礎です。
 
 
 
 
次回から紹介獲得について書いていきますが、あくまでもスタッフを医療従事者として成長させるということと両輪だということをご理解ください。
 
 
 
では、続きをお楽しみに
 
 
 
 
 
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Posted at 13:55
 
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