おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院が改善プロジェクトを進める場合には目的が三つあります。
一つ目は、プロジェクトによって業務の品質が向上したり効率化が図れること。
業務の改善を繰り返し進めることで医院全体の質が向上しチームメンバーも「改善脳」を身につけることが出来ますので、プロジェクトを途切れさせずに続けることが大切なのです。
プロジェクトは「目的」を明確に伝えることが大切で、目的には「医療の視点」「患者の視点」「財務の視点」が入っていなければならないのです。
歯科医院でプロジェクトを進める場合にはここが省かれやすいので注意が必要です。
二つ目はリーダーを育てることです。
院長が将来的にリーダーになって欲しいと感じていても、リーダーに育てていく為の育成プランがなければ芽が出て花が咲くことはありません。
だから、最初は「リーダーとしての在り方を教えて動かす」から始め、「教えながら任せる⇒任せきる」のSTEPを経て先ずはプロジェクトリーダーとして成長させなければならない。
医院によっては現在いるチーフが「フタ」となって次世代が成長できない場合もあり、組織を硬直化させない為にも「スモールリーダー」を育てて権限を集中させ過ぎないことが必要なのです。
ただし、リーダーは誰であっても良い訳ではありません。
リーダーは周りから承認され応援される必要があり、そういう巻き込み力がないスタッフをリーダーにしてしまうと本人も苦悩し成果も出せないのです。
また、プロジェクトリーダーと併せてメンバーを選ぶ場合にはスタッフの行動特性を考える必要があります。
「プロジェクト管理が得意な人」「細かいところにまで配慮が出来る人」「ムードメーカー」「課題達成力が高い人」などプロジェクトを成功させるのには必要な要素があるからです。
三つめはチームメンバーの関係性を拡げて深めることです。
同じ歯科医院で働いていても、医院規模によってはあまり話さないメンバーや関りの少ない部署があります。
大きな企業の様に部署が完全に独立してしまっている場合にはそれでも良いのですが、歯科医院の場合には各部署が連携しているので様々な問題が起こるのです。
それは相互理解が足りない事によって生じる他のメンバーや他の部署への不満です。
人は忙しくなってくるとちょっとしたミスを許す寛容さがなくなっていきます。
すると、他のメンバーや他の部署に対する不満が蓄積し始めて「私は損をしている」という感覚になってしまうのです。
実際に歯科医院でも他の部署のメンバーに対し「時間があるなら片付けを手伝ってくれたら良いのに」と不満が出たことがありました。
チームメンバーの関係性はすごく偏っています。
そして院長から見れば関係性が良いと見えていても実際にはそうではない場合も多い。
だから、院長はチームメンバーの相互理解が進むようにメンバーの仕事での交流の場を演出しなければならないのです。
私がクライアントの院長と一緒に組織化を進める場合でもリーダー育成には時間がかかります。
そのスタッフの潜在能力が高ければ、ポジションを与えて院長がサポートすればリーダーとして加速度的に力をつけていくのですが、スタッフの行動特性によってはリーダーとして花が咲くのに工夫が必要だし時間もかかるのです。
しかし、組織づくりは今いるメンバー個々の能力を最大限発揮できるやり方を模索していくことなので、プロジェクトも活用しながら取組みを続けるしかないのです。
ちなみに、いま先生の医院に頼りになるチーフがいるのならば危険信号です。
チームメンバーはチーフに依存して動いている可能性が高く、次世代が育っていない可能性があるからです。
「指示」「外発的動機」「院長依存」
院長が手を出したくなるこれらのマネジメント手法は、「間歇強化」としては有効であっても「連続強化」として使ってしまうと副作用の方が大きくなり危険です。
歯科医院メンバーのマネジメントも薬剤の服用と同じです。
最適な薬を選んで用法と用量を守らないと効果が出ないのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
↓経営相談のお申込みとお問合せ
Posted at 05:00
