おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
2019年に国が公立・公的病院の統廃合リストを提出して4年、各都道府県の地域医療構想調整会議における2023年3月時点での民間を含む再編の検証状況が報告されました。
結果は、対応方針が合意済みの医療機関は60%程度(前回36%)で、昨年9月時点よりは論議は進んではいますが都道府県による進捗の格差が大きくなっています。
もちろん、各都道府県が策定する地域医療構想には歯科医療も含まれます。
例えば、在宅の歯科医療ニーズがどれくらいあって在宅医療に取り組む歯科医療機関がどれくらいあるかなどを調べ、これから高齢化が進む中で必要とされる医療供給体制や機能をどうやって確保していくのかの検討がなされるのです。
大都市部などでは急性期などの病院や高度な設備が過剰とされ、「回復期」「慢性期」に回される医療機関が出てくることになる。
歯科医療機関の供給体制についての論議もされていますし、今後の論議に歯科医療機関も少なからず影響を受ける様になるのです。
実際には地方では地域に必要な医療資源が足りずに必要な医療供給体制が構築できない地域が増えています。
もちろん民間の医療機関は経営の採算が取れなければ存続できないのですが、医療機関が撤退する地域では人口の社会的流出が進み人口の流出が地域経済の衰退に繋がるというドミノが加速してしまうのです。
ということはその地域で開業している歯科医療機関も経営面での影響を受ける事になります。
つまり、地域が連携して医療や介護などを確保していく取組みによって住民は安心して暮らし、医療機関も存続していける。
現在、地域の多職種の方々が連携しながら地域医療や介護の維持発展に尽力していただいております。
だからそこに参加するのかは別にして、興味を持って開業されている地域の医療や介護の現状やそこに関わる多職種の方々の活動状況を見て頂きたいのです(医療機関関係者以外の方も)。
トップダウンで国がおこなう改革には大きな痛みが伴います。
そして、その影響を受けてしまうのは皆さんにとって大切な人や大切な患者さんかもしれないのです。
実際に介護の現場では「介護認定を下げられてADLが悪化し、要介護度が上がる」という悪循環が始まっています。
そしてこれから病院から在宅に出される患者は大幅に増えていく。
一方、共助として地域で支えてくれる人も高齢者・・・
歴史的に見ても医療や介護の質は地域の連携と連帯によって守られてきた。
だからそこに住む人たちが立ち上がるしかないのです。
テーマ:経営環境の変化
Posted at 05:00