おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
10年前に大海原に漕ぎ出した船長の船は今日も順調に航海を続けていました。
いろんな航路を切り開き、遭難しそうになったこともありましたが今や人気の船の一つにまで成長させることが出来ました。
経営面だけで考えれば新たなチャレンジをしなくても経営は順調だし船員の雇用環境も改善していける・・・。
ただ、何か最初に船をこぎ出した時の様に、皆で苦労を乗り越えていく感覚が持てない事に船長は物足りなさを感じているのでした。
最近はチームメンバーに朝礼で話す内容もマンネリ化してきている。
しかし、経営的には間違っていないのでこのままで良い気もする・・・
と考えながらも日常の仕事に忙殺されていたある日、
ベテランスタッフのAさんが船長室のドアをノックしたのです。
「船長、長年お世話になりましたが退職させて頂きたいのです。待遇面でも文句はありませんし、色々とメンバーのことを考えて頂けていることに感謝しています」
「ただ、自分自身がこのままで良いのか?という疑問を持つようになりました。何か成長できていない自分に焦りを感じる様になったのです」
「だから、苦労しても自分を成長させることができる環境に自分を置いてみたいと考える様になりました」
「大変良くして頂いているのに申し訳ありません・・・」
船長はあまりのショックに何も言えませんでした。
Aさんは初めて出船した時からのメンバーで船長が苦しかった時も懸命に支えてくれた存在だったからです。
「本当は残って欲しい・・・でもここにいてもらうことがAさんの為になるのだろうか??」
船長は悩んだ結果、Aさんの退職の申し入れを受け入れることにしました。
こういった事は歯科医院でも起こっています。
ある日、気づいてみれば自分の居場所がない、成長できていないとスタッフが感じて環境を変えようとするのです。
「もう少しAさんとコミュニケーションを取って、何かワクワクできる目標を提示できていたら・・・」
院長自身のモチベーションを保てなくなっていたことが原因だと船長は深く後悔したのでした。
チームメンバーとどれだけ目線が合っているか?
チームメンバーに成長していると実感させることができるか?
目線を合わせる時間を日常診療のなかで仕組化することができているのか?
その作業はとても手間がかかり忙しくなるにつれて後回しになってしまいそうになるのですが、その作業によって組織の土台が作られていることを院長は忘れてはならないのです。
院長がスタッフにかけた何気ない言葉によってスタッフの内発的動機に火が付いたということも実際にありますし、自分の人格を否定されたことも彼らは忘れない。
組織を進めるパワーは院長から院長に近い幹部に伝わり、そして下の世代に徐々に伝わっていく。
だから、一日一日をどれだけ全力で患者やスタッフと向き合ったか?雑談を言いながら笑い合ったのか?理想を語り合ったのか?が勝負であり、院長はパワーの出力を下げてはいけないのです。
やがて、幹部がパワーを身につけ院長を支えてくれるようになっていく。
院長が言わなくてもチームにとって大切なことを後輩に伝えてくれる様になるのです。
さて、先生とチームメンバー一人一人との距離はどれくらいでしょうか?
悩んでいたらすぐに気がつくでしょうか?
心を込めてスタッフに何を伝えているでしょうか?
大切なことをチームメンバーが実践できるまで伝え続ける。
チームメンバーにパワーを送り続ける。
青臭いように感じてもそれが組織づくりの真髄なのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00