歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私は様々な院長と出逢い、多くのスタッフとも出逢ってきました。
歯科医院に関わって40年近く、その中で一番感じてきたのが
「多くの院長はスタッフとの信頼関係を築くのが苦手」だという事です。
昨日のニッチの会のセミナーでも院長からスタッフマネジメントに関するお悩みが出されました。
例えば新規開業の場合、オープニングスタッフの力関係はそんなに差がない。院長とスタッフとの関わりも強くコミュニケーションも足りているので問題は起こりにくいのです。しかし、スタッフが増えたり辞めたりする過程でスタッフ間の力関係に変化がでてくるのです。
人間には「自己保存」という本能があり、自己の生命を維持し発展させる行動を無意識的にとります。
そしてこの「自己保存」機能によって院内で様々な問題が発生するのです。
また女性はセロトニンを作りだす量が男性の2/3程度といわれ不安になりやすい。だからそれを前提としてマネジメントシステムを構築していくことが必要になります。
院長が組織を輝かせたいと考え改革を始める時、
チーフを選ぼうと思う時、
育休明けのスタッフを迎え入れる時、
優秀な人財をチーフとして採用する時、
院内の力関係が変わるのです。
それによってスタッフの心が不安定になる。だから、
自分の心の安定が損なわれる時、
自分の評価が下がる心配がある時、
院長が優秀な人を採用する時、
新たな取組みに不安が増大した時、
「自己保存の法則」が働き、提案に反対したり足を引っ張ろうとする人が出てくるのです。
でも、ここで院長が院内のバランスを取ろうとすると問題はさらに深刻になりますし、成果は得られません。
またスタッフのご機嫌う為に褒賞(外発的動機)を与えるのは最悪です。
院長が院内を改革しよう、前進させようとすれば無傷ではいられない。
そう考えるべきです。
院長がここでやるべきことは「医院の存在価値・使命」「ビジョン」を明確に示し、それに共感できるのであれば一緒にやりたいと伝えることなのです。
まだ成長過程にあり、内発的動機が十分に育っていないスタッフは院長の夢を語り、あなたはそれを一緒に実現していくうえで欠かせない一員であると伝え、行動に巻き込んであげることで「集団的効力感」を得ることができます。
「理想」に向かう行動を集団で続ける中で内発的動機の「種」は育つのです。
院長が理想を実現したいなら、スタッフ一人ひとりとチームの成長を「計画」にし「仕組み」にすることが出来るのかにかかっています。
スタッフ一人ひとりの「自己保存」が成立し、そのことが組織の発展に繋がる為に「ビジョン」を明確にし取り組む。
でないと永久にスタッフ問題の悩みからは抜け出せないのです。
Posted at 05:00