歯科医院経営コーチの森脇康博です。
相変わらず私のホームページには”10年後の歯科医院経営”という検索キワードで訪れていただける方が多いです。
以前からブログに書いています様に、今後10年間の歯科医院の経営対策は開業されている地域、収益モデル、組織のレベル、院長の年齢などによって大きく変わってきます。
東京の様な大都会で起こる経営問題と地方の人口減少が進む地域で起こる経営問題は全く違いますし、まだこれからファミリー層を中心とした人口が増えていく地域だってある。
中大型歯科医院は経営環境の変化や歯科医療需要の変化にたいして着々と準備を進め、小規模歯科医院はあまり対策が出来ていない。そんな印象を持っています。
トップ1%は他の歯科医院が追いつけない領域を目指してドンドン進んでいる。
経営対策もそうです。
院長(ドクター)が持っている治療技術、組織レベルなどの経営資源によって打てる対策が違うのです。健康観が高い患者が望む院内環境を創ろうとしても、治療技術が高くはなくスタッフの成長度も低い医院では「理想の型」をなかなか再現できない。
そういう意味で組織のレベルが高い歯科医院と組織づくりに手間をかけてこなかった歯科医院との格差がどんどん拡がっているのです。
これからの10年で生き残れる歯科医院はズバリ、「治療技術とホスピタリティの質を高めてきた(収益性が高い)歯科医院」です。
キーワードはやはり〝定期管理”
ステージで言えば「予防歯科」のワンランク上に「定期管理歯科医院」があります。定期管理と予防歯科とを混同する方がいますが、定期管理型は全顎的な管理であり全人的医療に近づいていくものなのです。
また、これからの10年で歯科医療と医療の境目がなくなる。私はそう考えています。
だから、歯周病の症状が進んでいれば当然の様に糖尿病や他の生活習慣病を疑い検査を勧める。歯周治療において生活習慣病治療の主治医との連携も深める必要があります。最近は病院、内科や外科だけではなく耳鼻科などとも連携をとる歯科医師が出てきています。
そうそう思い出しました。
全人的医療を目指して20年位前にすでに、歯科医師と医師のダブルライセンスを取得されたドクターがいらっしゃいました。そのドクターはかなり先の未来を見通しておられたのだと改めて感心しました。
先生方にはダブルライセンスはお勧めしませんが、定期管理型に移行する上で他職種との連携を強化しないと「予防歯科」からは抜け出せないと思うのです。
「定期管理」という言葉(価値観)がキャズムを超え、日本社会で一般的になるにはまだ時間がかかるでしょう。
しかし、先生の医院に来院する患者に「何を語りかけ”定期管理”という価値観を落しこむのか?」という取組みは今すぐ必要なのです。
その為には、
患者が自分にとって大切な価値観を実現する為に保険が適用されない治療でも躊躇せず選択する歯科医院づくり。
口腔内に問題がない人が「定期検診(管理)をして欲しい」と集まる歯科医院。
国が求める歯科医療の質を実現していける歯科医院づくり。
スタッフが辞めずに歯科医療従事者として成長を続ける歯科医院づくり。
が必要です。
それを形に出来た歯科医院は10年後も更に発展を続けている。
※零細規模での超効率経営もやり方によっては可能性があると思います。
※都市部での自由診療は経営力のある院長限定でしょうか。
また、国は開業医に経営の体力をつけることを求めています。
たぶんこれからの10年間を確実に乗り越えるには歯科医院の売上で言えば少なくとも1億5千万円以上は必要になる。
(売上よりもキャッシュフローが重要ですが・・・)
売上が1億円ある歯科医院でも、売上の伸びが低迷しはじめると固定費負担(人件費など)が大きくなり、収益力が一気に下がるのです。
1億円規模までは院長の個人力でも到達できますので、
・治療コンテンツの質が高くない
・収益性が高くない
・患者を惹きつける歯科医療サービスが構築できていない
・組織やスタッフの成長度が高くない
・差別化に投下する資金やマンパワーが不足
した状態である医院も多い。
ここから上のステージに行くには組織づくりが必要なのですが、それが上手く出来なくて設備にお金をかけたり、人を採用して収益力を悪化させるのです。
もちろん、すでにブログで書きましたように中大型歯科医院と小規模歯科医院では戦略は違います。
では、先生は今から何をしますか?
Posted at 05:00