歯科医院経営コーチの森脇康博です。
院長が考えるべき問題 その3 それは「在宅医療」です。
今までの歯科医療はどちらかと言えば「患者」と「歯科医院」との関係で成立していた。
それがこれからは2者の関係だけでは成立しなくなっていく。
それが「地域包括ケア」です。
多くの歯科医院は地域医療介護ネットワークとの信頼関係を構築できていません。構築しなくても歯科医院経営が成立してきたこともあるでしょうし、診療報酬によるインセンティブが働かなかったことも大きいと思います。
でも、国が地域包括ケアを重視しだした平成24年頃から診療報酬の評価でも「在宅医療」へのシフトを始めた。
「そろそろ、訪問も始めないといけないかな?か強診のこともあるし・・・」
と院長が考え出した時、2つの問題が立ちはだかったのです。
それは、
・訪問に必要なマンパワーが確保できない
・「訪問診療始めました」と案内しても希望者が現れない
という問題。
ここで、院長としての決断が必要です。
「在宅医療」をどう扱うのかという決断です。
中途半端に訪問歯科を始めても希望者は増えませんし経費倒れになります。
「これからは訪問歯科に取組まなければいけない・・・」
「でもマンパワーも足りないし自分の休みも潰れるし・・・」
で、結局決めないまま時間だけが過ぎていくのです。
でも、断言できるのは「どうするのかを決めないと状況は悪化していく」ということです。
2025年、医療福祉分野における人材不足は更に深刻になっていきます。
これから医療福祉分野に必要な就業者数は2018年対比で115万人程度増えるのに対し、生産年齢人口は大きく減るからです。国が就業者人口を確保しようと外国人受け入れや定年の延長、保育所の整備などを続けていますが、それでは足りない。
この頃になると、いま働いてくれている人が辞めると診療を縮小せざるを得ない歯科医院も増えていくのです(今でも増えていますが・・)。機械や外注で代替できる作業は移行が進むでしょうが、代替できない作業も多い。
この点では、先日ブログで書きましたように、「何に経営資源を投下するのか?」という経営判断が必要なのです。
”攻めと守りの判断”
今の時点では攻めることが不可欠ですが将来の守りを想定しておくことも必要です。
国は在宅医療を進めたい。
でも歯科医院によっては対応できない。
この問題を院長としてどう解決しますか?
Posted at 05:00