歯科医院経営コーチの森脇康博です。
なぜか私のホームページに「20年後の歯科・・・」というキーワード検索で訪れていただける方が増えてきました。
「10年後・・・」では前から訪れていただける方が多かったのですが、20年後のことも気がかりなのでしょうね。
検索される方が歯科医師を目指される方なのか、開業されたばかりの方なのかわかりませんが、将来について心配される方が増えているのだと思います。
正直、20年後のことを考えるよりも2025年に向けて歯科医療や保険医療制度がどう変化するのかを考えた方が良い気もします。
なぜなら、第一段階として2025年に向けて日本の社会保障制度や労働政策は大きく変わり、歯科医院経営はその影響を色濃く受けるからです。
歯科医院経営の二極化は更に進み、素早い経営環境変化への適応ができない歯科医院はジリ貧になっていきます。
一方、経営の体力があり、変化への対応が早い院長にとっては歯科医院を更に発展させられる可能性が高い時代に入っているのです。
しかし残念ながら、歯科医療ニーズの変化や国の診療報酬削減政策に対して歯科医院経営をどう変化させるべきかを理解できている院長は、まだまだ少ないと思います。
国民生活も同様に二極化が進みます。
サラリーマンの年収低下、国民負担率の上昇に加え、「働き方改革」が追い打ちをかけ、残業代を含む年収の低下によって「サラリーマン世帯の住宅ローン破たん」が増えているのです。
国は副業や兼業を推進していますが、法律整備の不手際もあり進んでいません。
非正規労働者は2000万人を超え、国民の貧困化は現実のものとなっているのです(特に世帯収入500万円以下の層)。
これらの影響によって口腔内に問題があっても歯科医院を受診しない層が拡大する恐れがあります。
ブログでは書き切れないほど、社会環境の変化が急速に進んでいるのです。
だから現在起こっている変化が大きいので、その延長線にある20年後を考えても仕方がないのです。
そうは言っても気になるでしょうから、あくまでも「予想」ですが、ちゃんと考えてみます。
20年後と言えば2039年ですが、その3年後の2042年には65歳以上の人口もピークとなり減少を始めます。
少子高齢化や人口流出などで地方都市のゴーズトタウン化が進むと言われており、空家問題やインフラの老朽化、住民がちらばって住むことによる行政コスト増や税収減によって、破たんする地方自治体も増えているでしょう。
GAFAの規制は実効性に疑問があり、越境ECによってリアル店舗は淘汰され、業種によっては店舗の無人化も進むと思われます。
「働き方改革」によりワークシェアリングが進み、国民の平均年収は更に低下するでしょう。
年収の低下によって国民の半数は住宅などを「所有」できなくなり、シェア経済は急激に進むのです。
そして最大の課題は、いまと比べて地域経済をどれだけ維持できているかです。
地域の事業主の高齢化による廃業問題は、雇用を確保する上でも重大な問題となっています。東京圏への一極集中問題は有効な解決方法がなく、この事が地域経済を更に困難にさせるのです。
※だからといって東京圏が安泰だと言うことではありません。東京圏には別の課題があります。
次に20年後に医療がどうなっているのかについて考えてみます。
国の社会保障改革の第一段階は2025年、第二段階はその2042年に向けて進められます。
日本の未来については読めない部分も多いのですが、国の社会保障政策は1980年代から一貫していますので、ある程度は予測することが可能です。
一貫した流れは「公的社会保障制度の縮小と公的サービスの民間企業への開放」です。
この動きは現在は上手くいっていない部分もあるのですが、行政からの民間企業への委託という形から徐々に浸透していきます。
そして国が地域医療連携推進法人を推進し、医療機関の経営力の強化を打ち出している様に、20年後には医院の質を高められない、経営力のない医療機関は存在できない可能性が高いのです。
また、
・国民皆保険の二層構造化(公的+民間)
・公的保険適用範囲の縮小(セルフメディケーションとの二層構造化)
・診療報酬の標準化(出来高払いの廃止)
・かかりつけ医療機関、国認定専門医以外の受診を制限
・混合診療の拡大
・医師、歯科医師の裁量権の制限
・自由開業制の終焉(地域別医療需要に応じた調整システム)
・地域別診療報酬制度を含む地域医療費自動コントロールシステムの稼働
なども私は想定しています。
実際にはこれから出されていく医療政策の結果によって、次に出される政策が変わりますので、注視していく必要があります。
また、最近の医療の進歩は凄まじく、札幌医科大学での間葉系幹細胞での再生医療に見る様に、
・歯髄幹細胞での再生医療の研究
・遺伝子スイッチの研究
・ゲノム編集
・エクソソーム研究
・AIによる診断補助技術の進化
・デジタル化の進行
などの成果によっては、20年後には歯科医療のアプローチが大きく変化している可能性も大きいのです。
医科歯科の垣根さえ消えてしまう可能性だってあります。
だからと言って、どう対策すれば良いのかを現段階で考えても仕方がないと思います。
歯科医院の院長は5~10年後の①歯科医療②経営環境の変化をしっかり予測しながら、3~5年の中期経営計画を立案して、経営環境の変化に対応していくことが必要です。
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歯科医院と地域医療の未来をスタッフと一緒に切り開きたいと考え、院長に寄り添った経営のコーチングが必要なら、私がサポートします(サポート費は見積りします)。
どうぞ、お声掛けください。
※申し訳ありませんが私は「短期的(1~3カ月など)に成果を出す売上対策」のサポートはお受けしておりません。
私が院長と目指したいのは10年後も地域の住民に支持され発展できる三方よしな歯科医院創りを実現する為の、経営におけるコーチングです。
※当然、短期・中期経営計画における売上の達成も重視しますが、「たった○カ月で自費率〇%UP」という様なサポートではなく、LTVを高める事を重視しています。
そして私の最大の強みは5~10年後の医療政策の予測に基づく情報分析・提供力、戦略・戦術案の提案力と、落しこみのサポート力です。
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Posted at 17:00