歯科医院経営コーチの森脇康博です。
日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が発表した「日本の医療のグランドデザイン2030」には「怒り、ストレス、暴力への対応、医療の役割」という項目が設けられ、以下の様に書かれています。
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(中略)
また、昨今、経済格差が拡大固定化し、貧困世帯が増えていることが問題視されている。これは中長期的な経済発展のために、あるいは経済発展に必 要な健全な市場環境のためには好ましくはないが、それ以上に社会にフラス トレーションや、ストレスの蓄積を生み出すことになろう。
一方、長時間労 働や、労働生産性の低さ、職場でのハラスメントなど劣悪な労働環境の問題もある。例えば、民事上の労働紛争相談のなかの「いじめ・嫌がらせ」の 件数は2008年度では3万2242件であったが、2017年度7万2067件に増加してい る27。ここにも社会にフラストレーションやストレスが蓄積される要因があ る。
個々のストレス、暴力被害への対応への医療の対応もより効果的になされ ることが必要であるが、対面での物理的あるいは言葉による暴力にせよ、ネッ ト環境でのそれにせよ、「怒り」の発生、「怒り」にいたる感情、「怒り」を 発生させるチャンスを希求する心理など、「怒り」のメカニズムの研究と、 研究成果の広く社会的な情報共有が必要であろう。
一般的な疾病への対処として、あるいは健康づくりに、予防医療の果たす 役割はますます大きくなると思われるが、よりよい社会環境を獲得する点に、 怒り、ストレス、暴力と向き合う局面でも医療が果たせる役割は大きいと思 われる。また、その成果が個々の健康と幸福の実現に寄与するであろう。
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私は日本アンガーマネジメント協会のファシリテーターとしても活動していますが、経営相談をご依頼いただく時に、相談項目で「アンガーマネジメント」を合せてチェックされる院長が増えていると感じています。
怒りの感情は第二次感情だと言われます。
怒りとして感情が爆発する前には、日医総研の発表にもあるように、「不安、悲しみ、心配」などの第一次感情につながる個人的な問題、社会的な背景があります。
そういった第一次感情を溜めこんだ患者が増えていますので、患者が安心して歯科医療を受けられるように、歯科医療従事者が「怒りの感情」について学んでおくことが必要だと感じています。
また、院長やスタッフがマイナス感情を溜めこんでいると、患者によるマイナス口コミが増えたりスタッフが退職するなど、歯科医院経営にも大きな影響を及ぼします。
三方よしビジョン達成サポートでは、歯科医院の事例を取り入れたアンガーマネジメント研修を医院研修として実施していますので、必要であればお声掛けくださいね。
テーマ:接客接遇、ホスピタリティ
Posted at 06:00