歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今回は「高い壁を越える為の足場」です。
医院の志が高く、ビジョンが大きければ大きいほど、それを実現する為の足場はしっかりと築く必要があります。
患者が感じる価値は築いてきたものの3割程度ですが、3割の価値を表現するには7割の重厚な足場が存在するのです。
この足場を地道に築いていくことにより、別の足場を築くのが早くなります。
以前、足場を築いた時に使った技術がそのまま使えたり、応用することが出来るからです。だから、一から築かなくてはいけない部分が少なくなるのです。
これを「経験曲線(効果)」といいます。
スタッフが長く働き、成長環境を創れている歯科医院はこの「経験曲線(効果)」を最大に使えます。
同じ作業を何回もやって熟練しているので、レベルが高いことをやっても短時間で行え、かかる生産コストが低減するのです。
新人スタッフが入っても、指導担当者が基礎的な教育の仕方が分かっていますので、技術や知識を新人スタッフが早く身につけられるのです。
一方、スタッフの退職が多い医院ではこの「経験曲線(効果)」を使えません。
教育制度も確立していませんし、中堅スタッフが退職によって抜けていますので、新人スタッフを育てることが出来ないのです。
経営面でも同様です。
時間当たり生産性を高められるのは経験値が高い組織であり、経験値が蓄積できていなければ生産性を高めるのにシステム的な方法を使うしかありません。
同じ時間内でやれることが少ないスタッフにはレベルの高い治療のアシストは任せられませので、人が足りていても出来ないことが出てくるのです。
歯科医院を大きく発展させるにはスタッフが長く働ける環境をつくり「7割の足場」を築いていくことが何よりも大切です。
「7割の足場」を築くことで成長ステージを登るスピードが加速するのです。
陸上競技をなどで基礎的な足場を築いた選手が高いパフォーマンスを発揮し、他の競技をしても一程度の成果を残せるのは「経験曲線(効果)」を活かせるからです。
医院の「経験曲線(効果)」を高めていくことが経営的にも重要であり、患者満足度の向上にもつながるのです。