歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今回は「患者目線での歯科医院の改善 その4 観察力と洞察力」です。
患者満足度に直結するのがオペレーションの質です。
※オペレーション:業務に関する一連の作業や対応法のこと
飲食などのチェーン店ではどの店舗であっても、均一なサービスを提供する為に、オペレーションは単純化・標準化されています。
しかし、標準化された接客は海外の観光客には響いても、目が肥えた日本人の心に響くでしょうか?
歯科医院でもマニュアルが整備され、新人スタッフもマニュアルに基づいて教育されることが多いと思います。基礎的な教育ではマニュアルに基くトレーニングはとても大切だと私も考えます。
ただ、
「標準化マニュアルレベルでのスタッフの接客では物足りない」
そうお考えではありませんか。
何故、マニュアルレベルまでスタッフが成長するのに、その先にいかないのか?
理由は主にスタッフが持つ「観察力」と「洞察力」に差があるからです。
「観察力」とは”物事の状態や変化などを客観的に注意深く見て、目的の達成に必要な情報を収集する力”のことを言います。
そして「洞察力」とは”物事を観察してその本質や裏にある意味を見抜くことで、状況を素早く分析し自分が果たすべき役割を推察する力”を指すのです。
治療の現場においてスタッフは同じだけの情報量を得られます。
しかし、人間の脳は「自分にとって必要な情報を記憶し不要な情報を削除する」のです。
だから「フィルターの性能」が違うと観察で拾う情報も違う。そしてその情報から必要な行動を推察する力にも差があるのです。
フィルターの性能が高いドクターやスタッフは、話を聴いていないようで肝心な部分はしっかり理解しているのです。
逆にしっかりメモを取っているスタッフが理解していなかったりする。
この「観察力」と「洞察力」を鍛える方法は今回は省きますが、スタッフによって「フィルター性能」と「理想行動の具現化スキル」に差がある以上、もう一段上のスタッフの成長を築くのも「具体的に教え」「理想の判断と行動を再現できるまで寄り添う」ところから始める必要があります。
標準的な行動マニュアルとの違いは「応用問題」が出来る様になること。
だから、「観察力」と「洞察力」の定義にあった、
①何の為に何を目標としておこなうのか
②どういった情報を収集するのか
③情報を基にあなたが果たす役割は何か
の3つを意識してもらいながら行動のトレーニングが必要なのです。
「形」だけではなく「行動規準」を落しこむ作業です。
標準化マニュアルによって定型の接客しか出来ないスタッフに患者が満足することはありません。
マニュアル教育で学べるのは「マニュアルに書かれている範囲」だからです。
※初期段階でのマニュアル教育は必要です。
そしてマニュアル教育だけでは歯科医療従事者にとって不可欠な「寄り添い力」が養われないのです。
新人スタッフを卒業した中堅スタッフに求められる「観察力と洞察力」。
もう一段上を目指す取組み、始めませんか。
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