日曜と祝日は経営ブログはお休みです。次は24日から再開しますね。
まず見るべきは「生活インフラが整っているか」
私が医院の経営環境を分析するとき、最初に確認すべきことがあります。医院の周りに、住民が生活していくために必要なインフラがどれ位整っているかです。
地域のプライマリケアを長年支えてこられた内科医院の院長がリタイアしても、承継するドクターが見つからない・・・こうした状況が全国で起きています。今後、国の政策通りに病院の統廃合が進めば、患者が住む地域と地域の中核病院までの距離が遠くなる可能性も高まる。医療インフラの縮小は、弱者がその地域に住み続ける動機を静かに削っていきます。
「ショッピングモールはあるが、地域の店がない」という危険信号
生活インフラの充実度を見るとき、注意すべき落とし穴があります。離れた場所に大型ショッピングモールがあっても、地域の小売店や小規模スーパーマーケットが失われている地域があるということです。一見便利に見えても、日常の買い物に車での移動が必須になっている地域は、高齢者にとって生活しづらい環境です。同様に、公立の保育園や幼稚園が統合され、認定保育園までの距離が遠くなっている地域もあります。子育て世代がその地域に住み続けるかどうかにも、こうした変化が直結します。
「データ」と「自分の目で見た実感」を合わせる
人口統計や経済データ、ネット検索だけでは見えないものがあります。だから実際に地域を歩いて確認することが必要なのです。公共インフラの老朽化の程度、地域の商店街やショッピングモールの品揃えやどんな人が来店しているか。これらを自分の目で見ることで、データだけでは分からない地域の活気が見えてきます。
もう一つ重要な視点が、地方自治体の財政的な余力です。財政に余裕がない自治体は、地域活性化のための施策を打つことが難しくなります。行政の対応力そのものが、地域の未来を左右する要素になります。
シリーズを振り返る—経営対策の前に、経営環境を読む
このシリーズでは、歯科医院経営を規定する経営環境について、四つの角度から論じてきました。
第1回では、同じ経営対策でも地域によって効果が変わる理由と、就職先と収入という生命線を論じました。第2回では、インフラを維持できる人口規模と、地域が豊かさを失っていく臨界点のメカニズムを説明しました。第3回では、規模拡大の可否を左右する人材採用の可能性という見落とされがちな要素を取り上げました。
そして第4回の今回、生活インフラの充実度をデータと現地確認の両方で読み解くことの重要性を論じました。経営対策を検討する前に、まず自院が置かれている経営環境を正確に読む。この作業が、これから先生の医院がどの方向に進むべきかの判断基準になります。
先生の医院のこれからを、心から応援しています。
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