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◆歯科医院経営ブログ

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【歯科の院長は"患者単価とLTV"をどう高めるのか?第4回】リピート型収益への転換は「バケツの穴」を数値で見ることから始まる  [2026年07月10日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
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穴の開いたバケツに水を注ぎ続けても、バケツは満たされない

このシリーズでは、患者単価とLTV(患者生涯価値)を高めるための仕組みとして、初診カウンセリングや治療計画提案の設計(第1回)、令和8年改定を踏まえた医学管理料・施設基準加算の活用(第2回)、口コミのトリガーとターゲット設計(第3回)を取り上げてきました。第4回では、これらすべての取り組みの土台となる問いに向き合います。

「なぜ、患者はリピートしないのか」。先生はその原因を、数値で把握していますか。

どれだけ新患を集めても、患者が定着しなければ医院は成長しません。穴の開いたバケツに水を注ぎ続けても、バケツは満たされないのと同じです。穴の数が多く、穴が大きい医院では、どんな集患施策を重ねてもリピートは発生しません。長期管理型の歯科医院に近づくためには、まずバケツの穴がどこに、どれだけ開いているかを把握することが出発点になります。

先生の医院のバケツには、今どこに、いくつの穴が開いていますか。その穴の大きさを、数値で説明できますか。

「バケツの穴」は、どこに空いているか

患者の離脱は、診療の流れのあらゆる場面で発生します。初診来院後に次の予約を取らないまま帰る患者、治療計画を提案されたが途中で来なくなる患者、う蝕治療が終了した後に、必要があるのに歯周基本治療や口腔機能管理に移行しない患者。これらがすべてバケツの穴です。

特に注意が必要なのは、勤務歯科医師の治療エリアに穴が空いているケースです。治療計画が薄く、主訴のみで治療が終了し、歯周病治療や口腔機能管理への移行があまり発生していない場合があります。患者が必要な治療と管理を受けないまま離脱している割合が、ドクターによって大きく異なるのです。しかしその差を把握していない医院では、問題があることにすら気づかないまま時間が過ぎていきます。

治療エリアのバケツの穴は、数値で見える化しなければ存在にすら気づかない。ドクターごとのSPT移行率、治療計画完了率、初診後の継続来院率。こうした指標を定点観測することで初めて、穴の場所と大きさが把握できます。

最初の3か月でやるべきことは「検査」である

リピート型収益への転換に取り組む場合、最初の3か月で最優先にすべきことは、現状を定量的に把握する仕組みを構築することです。施設基準の取得でも、院内研修の実施でも、ホームページの改修でもありません。まず数値で現状を「検査」することです。

歯科医師が治療方針を立てるとき、感覚だけで動くことはありません。検査を行い、問診で情報を集め、カウンセリングで患者の意志を確認してから、治療計画を立てます。経営も同じです。感覚で「患者が定着していない気がする」と思っていても、数値で把握していなければ、どこに手を打てばいいかが見えません。

数値は「院長だけが知る情報」にしてはいけない

現状の数値を把握したとき、それを院長一人が抱えていては意味がありません。勤務歯科医師、歯科衛生士、診療スタッフ、治療コーディネーター、歯科技工士、受付。患者を支えるすべてのメンバーが、「患者がどこで、どれだけ離脱しているか」という現実を共有する必要があります。

なぜすべてのメンバーが知る必要があるのか。それは、バケツの穴がどこに空いているかによって、誰が何を変える必要があるかが変わるからです。受付での初診対応に穴があるなら、受付スタッフが対応を変える必要があります。治療コーディネーターのコンサル後の離脱が多ければ、コンサルの質と流れを見直す必要があります。ドクターごとにSPT移行率が異なれば、治療方針の共有が必要になります。

改善をどう進めるかの方針は、数値の共有から生まれます。「うちの医院はここに問題がある」という共通認識が生まれたとき、初めてチームとして動く方向が揃います。院長一人が問題を抱え込んで指示を出しても、スタッフには「なぜそれをするのか」が見えません。数値という「共通言語」を持つことが、組織が一体となって動くための前提条件です。

シリーズを振り返る。患者単価向上の「順序」

このシリーズ全体を通じて、患者単価とLTVを高めるための取り組みを四つの視点から述べてきました。

第1回では、初診カウンセリング・Pコンサル・治療計画提案という「患者が自分ごととして治療に向き合う仕組み」が起点になることを述べました。第2回では、令和8年改定が示す管理型歯科への方向性と、施設基準・医学管理料を「取得するだけでなく機能させる」ことの重要性を論じました。第3回では、口コミを待つのではなく設計するという視点から、ターゲットとトリガーの明確化を取り上げました。

そして第4回の今回が、実はすべての出発点です。バケツの穴を数値で把握し、チーム全員で共有する。この「経営の検査」なしに、他の取り組みは的外れになる可能性があります。何が問題かを数値で明らかにしてから、初めて解決策の優先順位が見えてきます。

まとめ

リピート型収益への転換は、バケツの穴を数値で見ることから始まります。最初の3か月でやるべきことは、現状の定量的把握です。ドクター毎の治療中断率、治療計画完了率、SPT移行率、継続来院率・・・。これらの数値を可視化し、院長だけでなく患者を支えるすべてのメンバーが共有することが、改善の方針を決める土台になります。トライアル型収益への依存から脱し、長期管理型の歯科医院に近づくための道は、感覚ではなく数値から始まります。

 

先生の医院の「バケツの穴」を一緒に見つけ、塞いでいくお手伝いができれば幸いです。

先生の医院のこれからを、心から応援しています。

 

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