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◆歯科医院経営ブログ

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【歯科の院長は"患者単価とLTV"をどう高めるのか?第2回】令和8年改定が示す「管理連携型歯科」への転換と、リピート型収益の設計  [2026年07月08日]
おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
私は大阪の開業医団体で30年勤務し、院長の近くで経営と医院づくりを応援したいと独立して13年が経ちます。
このブログでは歯科医院経営とマネジメントに役立つ情報を発信します。
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施設基準を「取る」だけでは、収益は変わらない

令和8年6月の診療報酬改定は、歯科医院に「管理連携型歯科への転換」を明確に求める内容になりました。歯科疾患管理料は初診・再診を問わず90点に統一され、算定要件には「継続的な管理の必要性についての患者への説明」が明記されました。口腔機能管理料は90点(検査あり)・50点(検査なし)の2段階に再編され、歯科衛生士が実地指導を行う口腔機能実地指導料(46点)が新たに独立した点数として新設されています。旧来のSPT・P重防は「歯周病継続支援治療」に統合され、20歯以上では350点、口腔管理体制強化加算(口管強)の届出医院は120点が加算され、必要な患者には月1回の算定が可能になっています。

これらの点数を見ると、施設基準を取得し管理料を算定することが収益向上の近道と言える。しかし現場の実態は、そう単純ではありません。施設基準を届け出ても、算定に必要な仕組みが院内に整っていなければ、施設基準は経営に活かされないのです。

先生の医院では、口管強の施設基準を取得されていますか。取得済みの場合、その算定体制は診療の流れの中に組み込まれていますか。

「算定できる」と「算定している」の間にある、現場の壁

施設基準の取得と管理料の算定が収益に結びつくには、いくつかの現場の仕組みが整っている必要があります。口腔機能実地指導料(46点)を例にとれば、算定要件の一つとして「適切な研修を受講した歯科衛生士が1名以上配置されていること」がありますが、実際には算定する歯科衛生士は全員、研修を受講することが求められている。研修を受講し、その歯科衛生士が実際に指導を担う体制、指導コンテンツの構築、そして指導時間枠が診療スケジュールの中に設計されていなければなりません。

口腔機能管理料(管理料1:90点)を算定するには、舌圧検査・咀嚼能力検査・咬合圧検査などの検査フローが整備されている必要があります。検査をどの枠で誰が実施するか、結果をどうカルテに記録し、どう患者に伝えるか、管理計画に基づく指導や管理を具体的にどうやって実施するのかが決まっていなければ、算定の機会は日常の診療の中で埋もれていきます。実際に、医院によっては「管理計画を立てたけれど指導と管理が数回で途切れていた」という患者も出てきているのです。

また、問診票の内容を生活習慣病の把握に対応したものに改訂し、医科主治医との連携関係を構築することで、重症化予防連携強化加算(100点)が算定可能になります。しかしこれも、医科との連携ルートがなければ絵に描いた餅です。連携を始めたとしても、情共1だけでなく情共2の算定ができる様に持っていけるのかなど、先生の医院の「改定対応力」が試されるのです。仕組みの構築と人材育成という壁を越えなければ、改定や施設基準の恩恵は先生の手元には届きません。

リピート型収益を設計するとはどういうことか

管理料や加算を軸としたリピート型収益を本当の意味で機能させるには、予約管理の設計から始める必要があります。具体的に、歯周病継続支援治療・口腔機能管理・口腔機能実地指導、重症化予防連携強化加算の時間(枠)をどうやって取るのか?患者への指導内容とコミュニケーションを充実させて、患者が継続管理の大切さを理解して通い続けるリピート型にどうやって転換するのか?

誰がその枠を担当するのかも明確にする必要があります。歯科衛生士が中心を担う枠の場合、ユニット稼働(生産性)とのバランス、歯科衛生士の人数と担当患者数の設計が連動します。人員が足りない状態で仕組みだけ設計しても機能しません。ユニット台数が限られ、コンサル室がなく、歯科衛生士が足りていない医院では、物理的に対応できる範囲が制限されます。

だからこそ、「どういう規模のどういう仕組みの医院を築くか」を先に設計しておく必要があるのです。リピート型収益の最大化と治療品質の両立を目指すなら、そこから逆算して必要な人員・ユニット数・空間設計を考えることが、経営的な判断として求められます。

「取得」より「機能させる」ことに投資する

施設基準の取得は、リピート型収益設計の入口にすぎません。本当の投資先は、その後の仕組みの構築と人材の育成です。口腔機能管理の検査フローをどう治療の流れに組み込むか。問診票の改訂による生活習慣病の把握と連携をどの段階で実施するか。医科との連携文書のやり取りをどう運用するか。これらは、院長が設計者として関与しなければ現場に定着しません。

教育の観点から言えば、歯科衛生士が口腔機能実地指導料を算定できる研修を受講することと、実際に患者に対して質の高い指導ができることの間には、現場での練習と院内教育の積み重ねが必要です。算定が始まったからといって、すぐに患者に価値が届くわけではありません。仕組みが機能するまでに時間と関与が必要だという現実を、院長が理解した上で取り組む必要があります。

リピート型収益を本当の意味で経営の柱にするには、トライアル型とは異なる医院の構造が必要です。それは短期間で手に入るものではなく、院長が設計者として仕組みと人材に継続的に投資することで初めて形になります。「算定はしているが指導の実態が伴わない医院」も同様です。点数は取れても「患者への動機づけ」は出来ない。そういう医院では患者が離脱しリピート型には近づけないのです。

まとめ

令和8年改定は、「管理連携型歯科への転換」を数字として示しています。歯科疾患管理料の統一、口腔機能管理料の再編と口腔機能実地指導料の新設、歯周病継続支援治療への統合と口管強加算等々。これらを適切に算定できる体制を整えることは、リピート型収益の基盤をつくることと同義です。しかし施設基準を取得するだけでは収益は変わりません。予約枠の設計、担当者の決定、教育と仕組みの構築。この一連のプロセスに院長が関与することが、改定の恩恵を実際の経営に転換する唯一の道です。

先生の医院が「管理連携型歯科」として地域に根付くための仕組みを、一緒に考えさせていただければ幸いです。

先生の医院のこれからを、心から応援しています。

 

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