おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
さて、6月の診療報酬改定の実施に向けて歯科医院では、
・何を算定できる様にしていくのか?
・その為の治療の流れをどうするのか?
の検討が進んでいると思います。
私もこの2カ月は改定内容の理解にかなりの時間を使っていますし、それだけ改定内容を歯科医院経営に活かしていくことが重要な時代に入っているのです。
小規模な歯科医院では「よく分からないから」「算定する為にやらなければならない事が面倒だから」と改定内容への対応を諦めがちですが、加算項目などはそのまま利益を増やすことに繋がりますので段階的でも良いので必要な項目を算定して頂ければと思います。
悩ましいのは歯科医療としては取り組んでいくことが適切だけれども、医院の規模、マンパワーやメンバーの成長度、生産性を考えると医院によって答えが違う項目が結構あるということ。
詳しく書くと誤解を生みますし取り組まなくなるので書くのを避けますが(すみません)、「選択と集中」を考えなければ逆に収益を減らす結果に繋がるのです。
ただ、口腔管理体制強化加算の施設基準(口管強)の項目を見れば国が何を重視して今後の改定を進めていくのかは明らかです。
か強診の施設基準を所得している歯科医院は経過措置期間がありますが、「届け出直し」なので期限までに計画的に施設基準を満たしていかないと期限が迫って慌てることになるのです。
また、歯科DXなど対応への緊急性がない項目も電子カルテの標準装備化に向けて取組みが強化されていくでしょう。
その前にマイナンバー保険証の利用率の低さなど解決するべき課題が山積ですので時間はかかるでしょうが、院内ネットワークシステムについて強化しておくことは活用法次第では医院の強みになると思います。
どちらかと言えばマーケティング視点で考えるべき項目だと思います。
検討して頂きたい項目は、
・口腔機能管理指導と矯正治療
・小児の治療
・多職種連携
・訪問歯科への参入の必要性
・CAD/CAMとその他補綴との違い
・歯科治療のデジタル化の必要性
・初期う蝕の管理
・質の高い技工の継続的確保
・歯周病治療と管理
でしょうか?
中途半端に関わるとコストばかりが出て経営にマイナスになる項目もありますので、貴重な経営資源をどこに投下するのかを戦略的に決めてくださいね。
・入ってくるお金
・出ていくお金(直接経費)
・広告費
・設備費
・体制を整えたり運用に必要なお金(間接経費)
を見て利益が大幅にプラスになっていくのか?が重要であり、それだけ保険診療がシビアになってきているのです。
「コスト的には合わないが歯科医療として取り組むべき」とお考えの院長を私は尊敬していますしその通りだとも思うのですが、不採算部門をカバーする収益の作り方を併せてお考えいただけたらと思います。
歯科医院経営は二極化が加速して中間層が上下に分かれ始めています。
「う蝕マーケット」から退出していく患者がこれから増えていく時代において院長は、
・新たな未来を切り拓く為に動くのか?
・戦略的に縮むのか?
・ゆでガエルになるのか?
を選ぶ必要があるのです。
様々な変化はジワジワと進みますので「気づいたら経営的に苦しくなっていた」となり易い。
こういう記事を読んでも対策を始める院長は2~3%?
それでも、歯科医院の減少が加速していく時代において地域医療が崩壊しない為にも、経営対策が必要だと私は警鐘を鳴らしていきたいと思います。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00