おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院を取り巻く経営環境を調べる為に、
・人口の自然増減、社会的増減
・地域の基幹産業の経営状態
・伸びている産業分野、衰退している産業分野
・地域観光などの集客力、地域ブランド
・物流網、交通網
・大都市部との距離
を調べながら都道府県、市町村の財政力指数マップを眺めていました。
すると当たり前の話ですが地域経済が弱い市町村は財政力指数も低く、商業施設、医療施設、交通インフラ等が整備されない事から近年「人口の社会的移動」に拍車がかかっている。
2021年と2022年でも都道府県ごとの人口の社会的移動が変化しており、やはり、
・地域経済の衰退
・大学受験生の地元選択率の低下
・生産年齢人口の減少
・企業オーナーの高齢化と人手不足による廃業増
・地方自治体の財政の弱体化
・地域インフラの老朽化
・交通インフラの減便、廃止
・中核病院の赤字と統廃合、廃業(医師不足も要因)
・高齢の親を都市部在住の子が呼び寄せる
などによって更なる人口減少、流出が進む。
ステージが進むとマイナスのスパイラルは止められないのです。
これは歯科医院経営にも言えます。
経営力があって長期雇用を実現できなければ採用で苦戦し、採用できなければユニットを増やしたり治療コンテンツを増やしたりすることができない。
すると時代の変化に合わせた歯科医院の魅力が打ち出せずに収益減のスパイラルが回り始めるのです。
収益源のスパイラルは最初は少しづつ進みますので、「まだこれ位なら大丈夫」だと思いがちです。
しかしそれは次第に加速を始め「何とかしなければ」と院長が感じた時にはもう止める事は出来ないのです。
歯科医院の未来を考えた場合、逃げ切り世代以外は収益減の予兆に早めに気づいて対策を始めることです。
対策が早ければ少しの期間で回復できますが、対策を後回しにすれば医院経営の骨格から作り直さなければ経営的成果を出せないからです。
そしてその頃になると対策に使えるお金もなくなっている・・・
日本の人口減少や高齢化に国は早い時期に気づいていたのに抜本的な対策が打ち出せなかった。
それと同様に地域包括ケアシステムの推進と社会保障費の削減が始まった少なくとも20年位前には保険医療機関の経営が厳しくなることは決まっていたのに多くの歯科医院は対応してこなかったのです。
(大元は老人保健法が制定された1980年頃)
まるで60歳を過ぎて歯を失った患者が「もっと歯を大切にしておけばよかった・・・」と後悔するかのように経営対策を怠ってジリ貧になった歯科の院長は後悔するのです。
そしてこれから歯科医院を開業しようとしている勤務ドクターと話しても危機感はないと感じる。
このままでは地域経済がマイナスのスパイラルに入った市町村から地域医療が崩壊してしまう。
残念ながらそう感じるのです。
テーマ:経営環境の変化
Posted at 05:00