おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
昨日は主だった都道府県の経営環境がこれから10年でどうなっていくのかの調査を行いました。
詳しくは書けませんが全国で共通することを少しだけご紹介します。
<歯科医師>
歯科医師で一番人数が多いのは60~69歳でこれから10年で多くのドクターがリタイアされます。一方、リタイアされた院長分をカバーするはずの歯科医師は減っている為、これからの10年で歯科医師数も歯科医院数も減ることになります。だからといって競争が減ることになる訳ではあり得ませんので勘違いされない様にお願い致します。
<歯科衛生士>
歯科衛生士数は年々増え続けていますが募集人数も増えており、競争倍率は20倍程度となります。東京などの都市部は歯科衛生士学校も多いですが歯科医院数が多い為、1医院当たりの歯科衛生士数は地方都市の方が高くなっています。最近は40歳以上の応募が増えていますが、年齢的には若い人が多いので、歯科衛生士学校の定員充足率を高める施策と、歯科医院側としては新卒の歯科衛生士が辞めない育成体制の整備、「結婚・出産・育児」「介護」などのライフイベントへの対応が欠かせないと考えます。
歯科衛生士の需要数はまだまだ増えていきますので、院長は採用戦略を明確にして取り組まないと現メンバーのライフイベントにも対応できなくなります。
<歯科技工士>
ご存じの様に、若い歯科技工士が減って高齢化が進んでいます。1~2人までの技工所が全体の70%を占める為、「高齢化」「デジタル化」等によってリタイアが増えるでしょう。私は国の審議会で出されている歯科技工士問題の解決案では上手くいかないと感じていますので、院長は医院の技工物の品質をどうやって保つのかについて対策が必要です。
<歯科医院>
歯科医院はすでに減少期に入っています。歯科医師でリタイアされる方が増えますがそれをカバーできる開業数は見込めません。大学では女性が増加しておりますが開業志向が高くない為、大きな歯科医院に勤務するケースが増えると思われます(ただし歯科医院の勤務先は限られる)。大きな歯科医院には女性歯科医師が働きやすい環境整備とキャリアアップ制度が求められており、それを院長が実現できるのかが勤務歯科医師採用における重要なポイントとなります。
一方、歯科医院の開業は人口が多い都市部に集中する傾向があります。少子高齢化が進めばこの傾向は更に強まると思われ過疎地の歯科医療の確保が問題となっていくと思われます。
これらの他に日本経済の近未来予測、消費者物価や最低賃金、少子高齢化、DX、SDGsなどの影響を考えて、一番歯科医院経営のハードルが高い都道府県を考えました。
それは東京23区内の様に歯科衛生士や勤務ドクターの人件費相場、そして物価が高くなっている地域です。東京は大学数も歯科衛生士学校数も圧倒的に多いのに1医院当たりの国家資格者数は他の都道府県より低い。つまり、これからも人件費相場が上昇する可能性が高いのです。
また、東京は人口当たりの歯科医師数が多く、歯科医師一人あたり844人の人口しか割り当てられない・・・沖縄が1770人ですので競争が激化するのも当然です。
※東京開業の先生、すみません(汗)
東京都に続いて徳島の931人、福岡の987人の3都県が1医院あたり1000人を下回りました。
おっと書き過ぎました。
ここに少子高齢化による人口の社会的移動だけでなく、デジタル化やSDGsによって地域経済がどんな影響を受けるのかを見ていけば、地域ごとの経営環境がどう変化していくのかが見えてくるのです。
私はクライアントが開業されている都道府県や経営環境診断のご依頼があった都道府県しか詳しくは調べませんが、やはりこれからの歯科医院経営は大都市部ほど院長の経営者としての手腕が必要になってくる。
そう感じるのです。
Posted at 05:00