歯科医院経営コーチの森脇康博です。
先生がいままで創りあげてきた歯科医院。
それは患者にどう映っているのでしょうか?
院長が真摯に治療技術を高め続け、スタッフにも歯科医療従事者として向上し続けることを求め続けてきた。ホスピタリティを高める為に接客接遇研修も続けてきた。
でも、メンテナンス患者は増えていかない・・・。
そんな歯科医院がたくさんあります。
問題を解決する為には
①マーケティング視点
②会計的視点
③歯科医療視点
など、いろんな角度から検証して対策する必要がありますが、今回は「患者から見た歯科医院」という視点から書いてみたいと思います。
患者は自分が抱える「問題」を解決する為に歯科医院に来院します。
だから、
「問題の解決についての実績と評判」を知りたいのです。
歯科医院を探すときには「歯科医院+評判」という検索もする。
実際にはネットで出てくる歯科医院の口コミの殆どは「??」だと思うのですが、患者が歯科医院の評判を確かめようとすることは間違いありません。
これは心理学における「損失回避の法則」が働くためです。
基本的に患者が求める歯科医院の共通点は
「治療技術が高くてホスピタリティが高いと評判の歯科医院」です。
しかし「ホスピタリティ」や「患者満足」について誤解している院長が多い。
歯科医院に必要なのは、
①人が不快にならない為に必要な接客マナー。
②そして、最善な治療を患者が納得して受ける為の仕組み。
です。
なのに、接客マナーばかりを磨こうとする。
確かに接客マナーを徹底的にみがけば「患者を増やす」という目的なら達成できるでしょう。患者の要望を聴き患者に合せれば「患者満足度」は高めることはできるでしょう。口コミで患者も増える。
でも、それだけでは「医療」じゃない。
医療という視点で考えれば、
①ソーシャルワークの技術を磨き、患者が不安を乗り越え必要な治療に向き合えるよう寄り添う
②患者が自分にとって最善な治療を納得して受入れる
③患者が定期管理の必要性に納得し継続来院する
が必要であり、その為の知識を増やし技術を磨くことです。
”患者にとって必要な最善の治療に導くこと”
それこそがホスピタリティであり歯科医療の現場に求められるものなのです。
ホスピタリティは主に
①仕組み
②個の技術
③ホスピタリティマインド
で構成されます。
だから患者を導くというマインドが育っていても「仕組み」や「技術」がなければ目標は達成されません。
接客接遇マナーは患者を必要な治療に導く為の基礎であり、ホスピタリティの本体ではありません。
接客接遇技術をみがいて患者が満足したとしても、患者にとって必要な治療を受けていなければ意味がない。
患者の希望通り主訴のみを治療して現在の患者には感謝されても、10年経てば「あの時、もっと親身になって治療を勧めてくれていれば・・」と患者は後悔する。
「患者にとって必要なら説得して治療を受けさせる」
妥協せずに歯科医療従事者としてチームメンバーを成長させる。
知識や技術を高めるために地道にトレーニングを続ける。
それを続けることの先にしか「患者が一生離れない歯科医院」は存在しないのです。
Posted at 05:00