歯科医院経営コーチの森脇康博です。
これからの歯科医院経営の生命線、それは「ポジショニング」です。
「診療圏」「ポジショニング」については過去にも何回か記事を書きました。
歯科医院によって診療圏の広さは大きく違いますので、マーケティングで言えば「どんな土俵で誰と闘うのか」を決める必要があるのです。
競合は顧客ニーズによって変わります。
例えば、「今夜に大切な仕事があるので、歯の痛みをなんとかしたい」と患者が考えた場合の競合は「薬局の鎮痛剤」である場合があります。
同業であってもビジネスモデルが違えば競合しないこともあります。
例えば、1,000円カットの理容院とカット代が5,000円以上の店は競合しません。また、それらの店とカット代30,000円の店も競合しないのです。同じ地域でもセグメントが違い、提供する価値も違うのでそれぞれが競合せずに上手くいくのです。
これから院長は、地域の5年後の経営環境の変化と住民ニーズを読み、どういうポジションで歯科医院を展開すれば「地域で唯一」の医院になれるかを考える必要があります。
どういったセグメントに対して、どういった価値を提供すると住民に喜ばれ上手くいくのかを考えることが必要なのです。
その時、院長は多くの歯科医院が向かう方向に行きがちです。
しかし、地域やセグメントニーズに対して同じポジショニングの医院が多いと競争が激しくなっていきます。また、ニーズが多くあっても真似がし易いものは、コモディティ化(陳腐化、汎用化)が早いと言えます。
即ち、価格破壊が起こるのです。
では、歯科医院の現状はどうなのでしょうか?
歯科医院のホームページを見ると、保険診療における「う蝕」「予防」のマーケットに多くの医院のポジションが集中しています。
例えば、地域のう蝕患者数に対して、メンテナンスに移行する患者の割合はおおよそ決まっていますので、地域に予防歯科が増えれば増えるほど大きな歯科医院が有利になり、小さな歯科医院は苦戦するのです。
大きな歯科医院は総合力で陣地戦を展開する必要があります。一方、小さな歯科医院(1億円以下)はそれに巻き込まれることがない様、需要の切取り方を工夫して狭い範囲での一番を目指すのです。
でも実際には「判で押した様な中途半端な歯科医院」が多い。
治療技術も治療コンテンツも中途半端、ホスピタリティが跳び抜けている訳でもない・・・。
尖っているものがないからホームページで表現できないし、患者の記憶に残らない。一番になれない・・・。
だから、
流行の方向に行ってはいけません!!!
流行を制すべきは大型歯科医院であり、中型~小型の歯科医院は需要が多い場所を狭く深く切り取ってポジショニングするのです。
狭い範囲を出来るだけ深く掘ることで尖がることが出来るのです。
例えば私は、開業地域ごと、院長ごとに経営環境を分析し経営戦略を立案、院長に寄り添って経営計画の達成をサポートする経営のコーチング力を磨いています。
この方法はもの凄く時間と手間がかかり、多くの医院(件数)をサポート出来ないので誰もやろうとはしないのです。
でも、私自身はもの凄く遣り甲斐を感じています。
20人以上のスタッフがいても一人ひとりの名前や性格を覚え、一緒に喜んだり悲しんだりして組織づくりに関われる今のやり方に、「自分に合っている」と思えるからです。
私が歯科医療従事者になれる大切な時間でもあります。
「患者に何をすれば喜んで貰えるか」や、「地域医療における役割」を考え続ければ、必ず先生に合うポジションは見つかります。
そこを早く見つけてスタッフと磨いてくださいね。
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Posted at 05:00