歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今回は「初診カウンセリング」です。
予約の電話をかけ、来院した患者は緊張と不安に包まれています。
その患者の心を開かせ、治療に向き合わせる重要な役割、
それが初診カウンセリングです。
初診カウンセリングのやり方は医院によってマチマチです。
①問診票を基に不足部分をヒアリング
②スライドや初診セットを見せながら医院について説明する
③患者の要望や不安を丁寧に聴く
などを組込む医院が多いと思いますが、初診カウンセリングは何が目的で、何を重視しておこなうのかの受けとめ方がスタッフによって違うのです。
原因は”明確な目的意識を持っていないから”です。
「初診カウンセリングをおこなうと患者の満足度があがるよ」とか
「売上があがった」とか
友人やセミナー講師から聞いて導入した場合には、院長のなかでの「初診カウンセリング」の位置づけが不明確な場合が多いのです。
保険診療におけるオペレーション設計で、患者ひとり当たりにかけられる時間には限りがあります。じっくりと治療をしてあげたいという気持ちがあっても、国から治療の報酬を決められている保険医療機関では経営面も考えないと倒産してしまうからです。
初診カウンセリングの本来の役割は
「患者とのラポールを築く為の一歩目を踏み出すこと」です。
だから初診カウンセリングの中で患者が
「私の話をちゃんと聴いてくれる」「不安な感情に寄り添ってくれている」「私は受入れられている」という感覚を持つ事が必要なのです。
しかしそこを軽視している、またはカウンセラーのスキルが身についていない歯科医院が多いのです。
歯科医院でおこなう初診カウンセリングは心療内科などでおこなわれるものとは違うのですが、取り入れるべき要素も多いと考えます。
患者の感情的満足を実現する為には
・傾聴
・全受容
・話の要約と共感
に関する技術をカウンセラーが身につける必要があります。
例えば「全受容」
患者の話を否定せずに聴くという一見単純に思えるスキルですが、患者は間違った情報を信じていますので、それを言われても訂正せずに共感しながら聴くことは意外に難しいのです。
カウンセリングは患者の感情を受けとめる場であって、問題を解決してはいけない。患者の話そうとする流れを断ち切ってしまうからです。
患者に「問題認識」をしてもらうのは「検査」、理想の未来は「セカンドコンサルティング」や「TBI」の役割です。
コミュニケーションシステムの目標は
「治療が終わるまでには歯周治療や口腔内の問題解決の必要性に患者が納得している状態をつくること。
現実には限られた時間でこの目標を達成しなければなりませんので、工夫が必要です。
一度、初診カウンセリングについて見直してみてください。
明日も患者を幸せにしてあげてくださいね。
テーマ:接客接遇、ホスピタリティ、歯科医院経営全般
Posted at 18:30