おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営に関わり、
・世界経済の動きと政策、日本への影響
・世界のデジタル化、ＡＩ化、ロボティクス、自動化の未来
・日本の経済状況
・日本の人口動態の変化
・国の財政状況と経済政策
・歯科医療需要の変化
・国の医療政策と診療報酬改定
・支払基金の改革とレセプト審査の強化
・各都道府県の経営環境の変化（経済、人口動態）
・日本の歯科医院経営の変遷
等を調べ続けてきて感じるのは、日本の歯科医院はこれからかなり厳しい経営環境で闘っていく必要があるということ。
その中で日本の歯科医療の未来を担うべき勤務ドクターと話していると、上記の状況変化について全く分かっていないと感じる。
持っている感覚が「えっ、昭和？平成？」と思うくらいの現状把握と経営の知識の勤務ドクターがいるのです。
もちろん、令和型で医院を大きく発展させている若手の院長の周りにもその経営手法を学びたいという勤務ドクターが集まっています。
しかし、その収益モデルを扱うには高いレベルの経営力が必要であり誰もが真似できるもではないと思うのです。
これからの歯科医院開業のハードルは高い
物価が高騰し、人件費が高騰し、採用競争が激化しているのに診療報酬は思うほど上がらない・・
もちろん、開業費は高騰しているし運転資金も多く必要。
ベースアップ評価料が今後どれだけ上がるのかは不透明ですが、歯科で働く人材が他業界に流出しないほど評価が上がるとは考えにくい。
デジタル化対応はどうするのか？
今後の診療報酬改定への対応はどうするのか？
日本の保険医療制度の未来はどうなっていくのか？
地域の経営環境と人口動態の変化による経営への影響をどう考えるのか？
などを考えてもいない勤務ドクターが開業して経営が上手くいく可能性は低い。
開業に必要な自己資金も十分に貯まっていないなかで金融機関から多額の開業資金を借りられたとしても・・・
リースで設備を揃えてキャッシュアウトを抑えたとしても・・・
スタートダッシュを決めて経営を軌道に乗せられる勤務ドクターがどれだけいるのでしょうか？
昔は開業当初に患者が少なくても経営のエンジンがかかるまでの猶予期間が取れたのですが、令和以降の猶予期間は短い。
昔の経営の柱となっていた「歯冠修復及び欠損補綴」の平均点数は下がってきていますので、収益の柱は他の保険治療や自費治療で築かなくてはならないのです。
大型規模で分院展開し地域の需要を一気に取っていく超大型歯科医院や、自費治療でスキミング層を集められる高ブランド歯科医院が進出する大都市部。
そんな地域でよちよち歩きの新米院長が開業したとしても苦戦することは明らかなのです。
たぶん、これからの開業は都市部への集中が続くでしょうが、都道府県の医療計画から見て自由開業制の抑制が強まるのは間違いない。
その地域に必要な医療機能を提供できる院長は開業が認められるでしょうが、医療計画からみて枠がいっぱいで誰でもやれる機能しか提供できない開業プランがその地域で承認される可能性は低い。
病院ほどではありませんが歯科医院の機能分化も進むのです。
・開業する地域の現状（地域経済、歯科医療需要、人口動態など）
・開業されるドクターの治療技術と得意な分野
・開業されるドクターが身につけた経営力、マネジメント力
・競合歯科医院の進出状況
を考えて開業戦略を決めなくてはならないのですが、勤務ドクターによっては「開業しても無理」と感じる方もいる。
それでも地域医療を考えると開業してくれる勤務ドクターも必要。
難易度が高くなっている開業を支える体制が必要だなと感じるのです。
Posted at 05:00
