零細規模では、院長が「売上を上げる人」
売上が5,000万円以下の零細規模の医院では、院長自身が診療の中心にいて、売上の大部分を担っています。スタッフも多くの役割を兼ねており、経営管理に回せる人手や時間は、ほとんどありません。
この規模の経営分析は、大企業のような仕組みを目指す必要はありません。むしろ、院長の行動を進化させることが、いちばんの経営対策になります。院長が毎日、数値を見る習慣と、対策を考える習慣を身につけることが、すべての出発点です。
毎日30分、何をするのか
外部の力を借りない零細規模の医院では、院長が毎日30分、経営の数値と対策を考える時間を持つことをお勧めします。その中身は、次の順番が効果的です。
最初に、カルテを読み込みます。そして、患者の健康にとって必要な治療の提案を、しっかり実行できるように準備します。これは、歯科医療としても、経営にとっても、最も重要な行動です。
次に、治療の予約状況を見ます。そのうえで、日次と週次の集計を見ながら、月次の目標を達成するにはどうすればよいかを考えます。すると、予約の取り方に様々な問題があることが見えてくると思います。
例えば並列でアポが詰まり過ぎて丁寧な治療提案をする時間が取れない。患者の主訴以外に治療するべき箇所があるが忙しくて説明できずに治療が終了してしまう、等です。規模が大きくなるとセカンドコンサルで説明するのですが、院長の治療時間に説明が組み込まれていると様々な問題が発生するのです。
零細規模歯科医院の戦略は「弱者の戦略」「密着軸」ですから、昭和の高速回転型から抜け出し患者単価を上げる必要がある。その為にも現在の診療を見直すための時間が必要なのです。
目標は、逆算で動かす
月次の目標を達成するために、週次で何をするか。週次の目標を達成するために、日次でどう動くか。このように、大きな目標から小さな目標へと、具体的な達成方法を考える習慣をつけなければ、設定した目標は高い確率で達成されません。
目標を立てることと、目標を達成する方法を毎日考えることは、別の行動です。毎日の30分は、立てた目標を達成するための時間なのです。
「一日の成績表」に書くこと
日次の数値は、一日の成績表として記録します。次の項目を書きます。
一日の保険診療の売上と、自費診療の売上。一日あたりの目標との差額。月次の目標を達成するために必要な一日あたりの売上目標。患者数、新患数、キャンセルの穴埋め結果・・・。そして、院長が実行する対策です。
いちばん大切なのは、最後の「院長が実行する対策」です。数値を書いて終わりにせず、院長の行動に変えて初めて、成績表が経営に役立ちます。
この規模で、週次・月次で見る数値
零細規模と、次回に扱う小規模の医院は、これから、患者に密着した関係づくりへ向かう必要があります。そのため、週次や月次では、患者単価、治療提案の完了率、院長コンサルに関する数値、紹介患者の数、自費の比率等を見ていきます。
この五つは、患者との関係の深さを表す数値です。売上の数字だけでは見えない、医院の質の変化に気づくことができます。
30分は、早朝にとるのがお勧め
院長が経営対策について考える30分は、脳がリフレッシュした翌日の早朝にとることをお勧めします。30分早く起き、静かな医院で、院長自身のスイッチを入れながら実行するのです。
診療が終わった夜は、疲れが残っていて、数値を前向きに見ることが難しくなります。早朝の静かな時間は、数値を落ち着いて見て、その日の動き方を決めるのに適しています。
先生は、毎日、数値を見る時間を確保されていますか。そして、その数値は、先生の行動に変わっているでしょうか。次回は、売上が5,000万円を超え、1.5億円未満の小規模の医院について論じます。
先生の医院のこれからを、心から応援しています。
![]() |
|
![]() |
|
![]() |

















