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◆歯科医院経営ブログ

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第2弾!大丈夫?歯科医院のマネジメントで失敗するポイント!  [2017年02月27日]
こんにちは
 
歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
 
 
 
 私は歯科医院のマネジメントにも関わっていますので、スタッフと話す機会も多いのですが、彼女たちはこんな風に私に院長への不満を話してくれます。
 
「院長がセミナーで新しいことを仕入れてくる。なのに自分が途中で止めてしまう」
「その日の機嫌によって言うことが変わる」
「ミーティングで決めた事を院長だけ守らない」
「好きなスタッフと嫌いなスタッフで態度が変わる」
「自分が前に言った事を忘れている」
 
 
 
 開業してから歯科医院での院長の役割は多岐にわたります。歯科医院を発展させていくマネジメントのポイントは、いかにして院長の仕事(権限)を手放せるように組織づくりをしていくかということなのですが、何年経ってもそれが出来ない院長が多いのです。
 
 
確かに、開業して数年は意欲・実力・権限を兼ね備えた院長を中心としたトップダウン型(テーチング型)のマネジメントも必要です。スタッフの成長には時間がかかりますし、むかしと違い経営環境が厳しく、開業1年目のロケットスタートが必要とされているからです。
 
ただ、経営の安定、スタッフの成長に合せてスタッフに権限を委譲し、ボトムアップ型の組織を創らなければ、院長が院内のマネジメントに振り回される日々から、いつまで経っても解放されないのです。
 
 
 
例えば大きな客船では、船長はいざという時以外は操船の指揮を取らず航海士に任せています。
 
でも多くの歯科医院を船長に例えると、操船の指揮は基より、機関長や客室係にも電話を入れ指示をしている状態です。当然、問題があったら船長に電話があり、船長は解決の指示をしながらイライラしているのです。
 
 
 
 
スタッフに任せることが出来ない理由を院長にお聴きすると・・
「うちには任せられるような優秀な人財が応募してこないから」
「せっかくいた優秀なスタッフが結婚で退職してしまった・・・」
と仰います。
 
 
 
 
本当でしょうか?
実は、院長がスタッフに任せられない、権限を手放せない最大の理由は「院長の不安感情」なのです。
 
 
院長は経営の責任を背負い、孤独な存在です。
常に不安と闘い経営判断を迫られるのです。「いままで伸びてきた売上の伸びが止まった」。私にご相談いただくのもそんなタイミングが多いのです。
 
 
院長は院内には自分より仕事ができる人財はいないと思ってます。
だから、権限を手放して人に任せるという事が不安で仕方がないのです。
 
 
院長より若い歯科医院のスタッフは、任せても最初は院長の様には上手くできません。しかし、いままでマネジメント技術について学んでいない院長は、「なぜ彼女たちがこんな簡単なことが出来ないのか」「どうすれば彼女たちが出来るようになるのか」がわからないので、上手く教えられないのです。
 
 
 
 だから、イライラする。スタッフに任せ切れなくて口を出してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
 
 
「勤務医師やスタッフにお願いしてイライラするなら、自分でやった方が早いし満足するものができる」
 
こう仰る院長も多いですね。
 
人に任せられない院長は些細なことでスタッフに呼び出されます。一番仕事ができて権限を持っているのが院長なので、スタッフは自分では判断できず院長に判断を仰ぐのです。
 
 
 
こうして、経営のリスクが高く、人が育たない組織が出来上がっていきます。
 
 
 
でももし、診療に、マネジメントに、学会に、休む間もない程頑張ってきた院長が、病気やケガで倒れたとしたら・・・。
 
代わりのドクターを必死で探し、なんとか患者さんに迷惑をかけないようにした。ホッとしたのもつかの間、今度は院内に様々な問題が起こり始めるのです。
 
 
院長から権限を委譲されて問題を解決した経験がないスタッフに、院長がいない間に起こる様々な問題を解決することは出来ないのです。
 
 
 
 
 スタッフ一人ひとりの「長所」、5つ以上言えますか?
 
 実は、院長が思っておられるよりはるかに今いるスタッフの基礎能力は高いのです。説明が長くなりますのでここでは書きませんが、院長からスタッフへの権限の委譲がいつまで経ってもされず、スタッフは失敗をしながらも成長するという経験が出来ていないだけなのです。
 
私が医院見学をし、個人面談をして「先生のところのスタッフ、皆さん優秀ですね」と申し上げると、院長は「えっ、そんな事はないでしょう」と仰います。
 
でも、それが真実なのです。
個人面談でスタッフとお話しをさせていただくと、皆さん患者さんの事をとても大切に考えておられます。そして、業務の改善についてもいろいろなアイデアをお持ちなのです。
 
 
ただ、院長やチーフに提案したりはしないのです。
 
 
何故なら、
①過去に提案したことを放置された
②そんなの無理と言われた
③そんなことより・・と怒られた
④提案にダメ出しされた
⑤頑張ったのに気づいてもらえなかった
 
などの経験があるからです。
 
組織がこういう状態になると院長自身で解決することはかなり困難です。
井戸の中から外の問題点を見ている状態であり、院内の人間関係や習慣が固定してしまっているからです。
 
今すぐ、スタッフひとり一人の長所を5つ以上言えないなら要注意です。
 
 
 
人が「快」を好み「不快」を避けるということは有名ですが、報償などの「快」よって高まるモチベーション(外発的)は長続きしないことが証明されています。誉めたり報償を与えることによるモチベーションアップは一時的であり、誉める人に対する依存性を高めるのです。
 
 
一方、自分が信頼され、必要とされ、成長でき、人に貢献しているという感情(感覚)を手に入れる為の自発的な行動は、内発的モチベーションを高め、持続的な成長に繋がるのです。
 
スタッフが成長していく為には、スタッフ自身の中にある「答え」を引きださなくてはなりません。
 
そして、この「答え」を引きだすには、権限を分散しスタッフに任せる(分散的権限委譲)ことが欠かせないのです。
 
 
 
 
スーパーチーフを必要としない組織が強い
 
スタッフに任せる場合にも罠が潜んでいます。
院長はチーフに自分の代わりを求めてしまうからです。
 
マネジメントの経験のないチーフはどうするかと言うと、院長の真似をしようとするのです。
 
結局、権限の一部が院長からチーフに移っただけで、スタッフはチーフの指示を実行することが主になり、自主性は育っていかないのです。
 
すると、さらに経営のリスクが高くなります。スーパーチーフは永久に働いてはくれないからです。チーフが結婚・出産などで退職した後、いままで出来ていたことが出来なくなってしまった歯科医院を私は知っています。
 
 
権限を分散し、スーパーチーフがいないからこそ発展し続ける歯科医院を創る。
 
結婚・出産などでスタッフが一時的にでも職場を離れるからこそ、全員が段階的な権限を持ち、リーダーシップの経験を積んでいける仕組みが必要なのです。
 
 
 
 
 
スタッフが育つ仕組みを創る。
これはどんな有名な大企業でも苦悩する永遠のテーマでもあります。
 
 
ただ、明確に言えることはトップダウウンではなく、スタッフ主導でスタッフの能力が発揮できるサーバント型の組織を創った企業が離職率も低く業績を伸ばしているということです。
 
いま上手くいっている歯科医院の院長でも、過去に「スタッフが全員辞めてしまった・・」などの苦い経験をもつ方が少なからずいらっしゃいます。
「院長もスタッフも患者も幸せになる三方よしな組織を創る。そう気づいてから上手くいきだした」とセミナーでお話しされているのを聞いたことがあります。
 
 
スタッフをいくら外部の研修に参加させても、その力を発揮する環境が医院にないとスタッフのモチベーションは高まりません。心が育ったスタッフが医院の現状を嘆き、遣り甲斐を求めて退職を考える。そんなことも現実に起こっています。
 
 
 
 
今いるスタッフの力を信じ、スタッフと一緒に理想の歯科医院を目指すことは、いつでも始められます。
 
 
先生が現状に満足をしていないのなら、変えることは出来るのです。
 
 
 
10年後を想像してみてください。
 
歯科医院はどうなっていますか?
 
開業時の理想に近づいていますか?
 
先生は笑顔でいますか?
 
10年間、先生を応援し続けてくれた人は誰でしょうか?
 
その人を笑顔に出来ていますか?
 
 
 
 
勇気をだして三方よしな「しあわせ歯科医院」創りを始めてみませんか!
 
 
 
 
 
 
 
一歩を踏み出す勇気が欲しい
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