歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
今回は「訪問歯科」について書きます。
※ビジネスとしての動き方は書きません。
平成30年度診療報酬改定以降に「か強診」の関係で訪問歯科を始める院長が増えてきました。
ただ、ホームページや院内に掲示して患者に声掛けをしても希望者が出てこないという声を聞きます。
介護施設にも名刺を渡した、ケアマネージャーにも挨拶した、他職者連携の会議でも名刺を配った・・・。
「どうして依頼が数件しかこないのだろう」と思っていませんか?
実は依頼がこない理由は”施設基準の為に訪問歯科の実績を作りたい”という魂胆を相手に見抜かれているからです。
ビジネスとして捉える介護施設の関係者もいますが、地域医療や介護に真剣に取り組む医療介護関係者ほど相手を視ます。口腔ケアや義歯の調整などの売込みは沢山あり、一度依頼してガッカリしたという経験もしているのです。
だから「この人は要介護者の〇〇さんのご家族に紹介しても大丈夫だろうか」と考えるのです。
医療として介護現場に関わるのか、それとも実績づくりとして関わるのか。
真剣に訪問歯科に取組む歯科医院は地域包括ケアチームの一員として認められ地域医療介護ネットワークの中に根を張ることができますので、口コミ紹介で依頼が増えていきます。
地域の信頼を勝ち取るまでには時間がかかりますが、院長やスタッフの志が認められると本気で取り組む人たちから頼りにされるのです。
※介護施設では決済権を持つ人の立場によりニーズが違います。
歯科医院にとって腰掛で済む(??)需要に競合歯科医院が多いですが、深く踏み込むと介護現場での悩みは多く、需要はどんどん増えていると感じています。
だから「介護状態のお年寄りの口腔ケアや嚥下の改善をしてあげたい」という志がないまま関わってもそれなりの結果しか生みません。
”真剣に取り組む人は相手の本気度を視る”ので、歯科医院の都合などはどうでも良いのです。「利他の心」が見えないと人の心は冷めてしまうのです。
そして、真剣に介護現場に関わろうとすれば冒頭のやり方は間違っているのです。
テーマ:その他
Posted at 05:31